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役に立たない「有害サイトアクセス制限サービス」

事の発端は、携帯電話の機種変更の際に、店員にすすめられるがままに「有害サイトアクセス制限サービス」に申し込んでしまったこと。ちなみに私は未成年ではないし20代でさえない。
そのときは、誤ってリンクをクリックして有料アダルトサイトなんかに迷い込んでしまったら不快だから便利かも?といった軽い理由で承諾したのだ。しかし数日後、激しく後悔することになるとは…。

その申し込み日から数日後のある朝のこと。いつものように電車の中で自分のブログにアクセスしてみようとしたらアクセスを拒否された。自分のブログだけでなく、全ての個人ブログにアクセスできなかった。また、gmailのメール本文からのリンク先は個人サイト、企業サイトを問わず全てダメだった。(URLをコピペしてアクセスすればOK)

何が有害で何が無害なのか?
 これは携帯会社の設定ではなく、携帯キャリアから委託された業者が独自の分類で行っているフィルタだという。
「ネット犯罪から子供を守る」という名目で総務省が携帯・PHS各キャリアに導入の徹底を求めた(2007年12月)有害サイトアクセスWEBフィルタだが、ここまで精度の悪すぎるフィルタでは全く意味がない

有害サイト規制法が施行されれば、18歳未満の携帯はこのフィルタがデフォルト設定になる。親権者による同意がなければ解除できないそうだが、こんなに「使えない」のであれば、未成年は理解のある親に解除してもらうに違いない。

「おかーさん、見てよ。このフィルタは全然使えないんだよ。これに入っていると私の書いてるブログにアクセスできないんだよ?おかしいよね?解除してよ」
と主張して親を納得させ、解除申請してもらう未成年が続出するのではないだろうか?

フィルタを設定する業者も改善の必要があるが、未成年は制限しておきゃ安心だろうという考え方、くさいものにはふたを的考え方も改善の必要がある。

むしろ未成年には悪徳有料詐欺サイトをじっくり見せ、それをクリックするとどうなるのか、トラブルに巻き込まれそうになったらどう切り抜けるべきか、誰に相談するべきか、あと匿名で書き込みを行ってもIPや携帯UIDで個人は簡単に特定され得るという現実をしっかりと見せ、倫理を教え込んでいくべきだと思う。

(2008/8/30追記)
携帯フィルタリングを引き受けているネットスター社の見解についてコメント欄で情報をいただきました。ネットスター社のサイトより以下引用させていただきます。

Q.なぜ有害とは思えないブログサイトが携帯でのフィルタリングサービスで規制されるのですか?

A.携帯電話のフィルタリングサービスでは、規制対象となるカテゴリは携帯電話事業者各社の判断にあわせて決定されており、ブログ・掲示板・SNS(ソーシャルネットワークサービス)などのコミュニティサイトも規制の対象となっています。そのため、一般に広く利用されるブログサービスについても、個別ブログのコンテンツ内容に関わらず、閲覧が規制されます。
利用者同士が情報の発信を行うことのできるような、いわゆる双方向利用が可能なサイトの場合、一般に予めサイトの内容を判断することが難しく、実際にサイト管理水準によっては、サイト利用に伴う犯罪被害・加害者になるケースも発生しています。
そのため、携帯電話事業者側ではこうした双方向利用機能を持つサイトについて、予防的安全確保の視点から、フィルタリングによる閲覧規制の対象とする判断をしているようです。

by accomarie | 2008-07-03 00:00 | 雑記 Mon cahier